緊急の故障停電復旧工事です。
春日井市内にある工場で、機器の電源が停止し、弊社に緊急対応の連絡がありました。 急遽、対応班を編制し出向しました。対応者は(監督 K、点検 M、リレー O、作業員 T) の4名です。
対象のキュービクル(変台)は、設置位置が高いため、点検に必要な仮足場の設置を実施しました。
第一変台の送り遮断器が動作(短絡、地絡表示あり)していました。
第二変台は大型破砕機器をコントロールする高圧コンダクタ専用で、欠相保護リレー(3E)も動作していました。
まずは変台を開け、内部の機器や充電部、異常箇所を確認します。
お客様の言われるネズミの発見カ所では、地絡痕跡が確認されました。
そのほかは外観上大きな損傷部分はありませんでした。
設置環境がプラスチック廃材の処理機の近くのため、相当の粉じんの付着が確認されました。
原因はネズミの侵入により、充電部に接触したことで、地絡が発生し保護機能が働いたと推測しました。
変台の底の部分で、ネズミの侵入口と思われる隙間が2カ所発見されました。
変台からの二次側ケーブルの貫通部分で、電線を伝って侵入可能と判断できました。
(小動物侵入による自家用設備での故障は比較的多く小動物対策は必須です!)
お客様の指示もあり侵入カ所と思われる部分の隙間は、今回は応急処置で養生テープによる仮処置としました。
小動物侵入対策は、アクリル板、スチール盤、金網等での侵入防止処置が効果的です。
事前準備も不十分なため今回は停電を復旧させるのが優先!
事後にお客様に提案いたします。
キュービクル内部は変台内部で停電していないと対処できないことから、侵入対策はしっかりと行いました。
配管部分にも防止対策がないため、侵入対策のシールを実施しました。
その後ネズミが接触した高圧真空開閉器(VS)の耐圧試験を行いました。
(メーカー名:高圧真空コンタクタ)・・・高圧の電磁接触器です。
密閉された高圧機器は、接点部分が外部から目視確認ができないため、開閉器が切れた状態で十分な接点間の絶縁が確保されているかの確認が必要です。
試験を実施した結果は良好で、継続して使用可能な機器であることを確認しました。
キュービクル内機器の点検、清掃が完了し、屋外の遮断器を投入して送電をしました。
大型破砕機の制御盤に電源ランプが点灯し、電源部分の復旧が完了いたしました。
大型破砕機には、ヒーターで余熱を30分程度かけた後、再始動がかけられ、ほぼ一週間ぶりに運転が再開されました。
始動と同時に機械の振動により粉塵が舞い、雪が舞っているように見えます。
調査の段階、点検中の段階、機械始動の段階でのお客様作業員の方の協力により、見込んでいた所要時間を大幅に短縮できました。
お客様からは、再稼働ができたことで、感謝とねぎらいの言葉をいただきました。
このようなトラブルは、定期的な設備点検で防止できます。
お客様にはこのような故障を防ぐための定期点検をお勧めいたしました。
電気設備のトラブルは、大きな賠償を伴う場合もあります。
トラブル防止のために、定期的な設備点検をお勧めします!