調査の目的
工場内のケーブルラックの健全性を確認しました。
ケーブルラックは電気設備を支える重要な部分であり、
劣化や荷重の偏りが進むと、安全性や信頼性に影響します。
今回の調査は、現状を正確に把握し、
今後の保全や更新の計画に活かすことを目的としています。

工場内に設置されたケーブルラック

錆びている部分もあります
調査の対象と方法
今回は、工場内の4か所(1号電気室、2号電気室、78 NTC電気室、特高変電所)
で調査を行いました。
目視点検を中心に、写真記録を取りながらラックの状態を確認しています。
次の項目を中心に確認しました。
〇 構造健全性(溶接部や支持部の変形、腐食など)
〇 ケーブル荷重・テンションの状態
〇 塗装のはがれや発錆の有無
〇 開口部処理、不要物残存の有無
〇 アース線接続や残置ケーブルの状態
ケーブルの布設状態を確認
① ケーブル荷重がラック許容範囲を超過している可能性が確認されました。

荷重分散または支持補強を検討することで、安全余裕の確保が期待されます。
② ケーブルの垂下状況を点検し、支持間隔や荷重バランスを確認しました。

ケーブルが重みで垂れ下がっています。
③ ケーブル荷重が一方向に偏り、ラック部材に変形が見られました。

構造再評価を推奨します。
④ 外気にさらされる部分では塗膜剥離と錆が確認されました。

⑤ 雨水よる腐食跡を確認。環境要因への対策が必要です。

⑥ 電気的安全性の確認

ケーブルが交差し、テンションが集中している箇所を確認。
整理と固定方法の見直しを検討します。
⑦ 設備整理の必要性

過去工事時の仮設材が残っていました。撤去し整理を実施。
まとめ
4か所すべてで、大きな異常はありませんでした。
ただ、長く使う中で少しずつ劣化が進んでいる部分が見られました。
サビや荷重の偏りなど、小さな変化を早めに整えることが大切です。
ケーブルラックは、普段はあまり目にしない設備です。
しかし、電気設備全体を支える大切な“縁の下の力持ち”です。
これからも点検と調査を続け、
お客様の工場が安全に動き続けるよう支えていきます。