
変電所内、変圧器の重故障である、
衝撃圧力感知Ryの端子防水について書こうと思います。
プレッシャーリレー(Pr)と呼ばれるものが変圧器に取り付けてあり、
変圧器内部の地短絡を感知して、遮断器をトリップさせるものです。
このPrですが、過去の災害事例で端子箱内に雨水が入ってしまい、
溜まった雨水で端子箱内の接点が短絡し、ミストリップを起こした事例がありました。
対策として、端子箱内配線取付箇所を、コーキングで埋めます。
このコーキングも、画像のように両端の端子が離れた状態でコーキングをするのがミソです。
衝撃を感知し、Ryが動作し、Ry内接点をこの端子箱の配線によって警報を出力しています。
前述のように、この端子箱内に雨水が溜まり、
誤警報にてミストリップをし、CBトリップで停電してしまいます。
最悪、雨水が溜まってしまっても警報を出力させないために、
各端子にてコーキング施工をし、誤警報を防ぐものです。
中部電力の変電所では、
MTrのPr-RyとLTCのPr-Ry、どちらもPr防水を施工します。
施工前、施工後にメガーをし、健全性を確認。
施工後は、端子箱にフタをし、その周囲や入線箇所もコーキングをします。
今のPr-Ryの端子箱下側には水抜き穴もあり、
万が一雨水が侵入しても溜まらない構造になっています。
ミストリップによる誤停電を避けるためにも、
色んな対策や施策をして電力の安定供給に努めています。