とある変電所数ヶ所にて、変電所構内鉄鋼の上を走っている架空地線の点検を行いました。
架空地線とは、直撃雷や誘導雷から架空送配電線を保護するために送電線鉄塔や電柱に架設された接地されている導線です。一般に、架空地線はその静電遮蔽効果で雷による誘導電圧を約半減することができるので、電圧の低い送電線や配電線路には誘導雷防止に有効です。また、110kV以上の送電線路ではこの効果よりも直撃雷防止の役目をなしています。
簡単に言えば、架空地線は雷から電線路をバリアしている感じです。
電力業界ではグランドワイヤー(Ground Wire)と呼ばれ、その頭文字をとってGWと称されることも多いです。
まずは変電所構内鉄塔の1番上まで登り、外観状態を確認します。GWの張り具合、締付金具の状態(さび・腐食・締付確認)を確認し、その後クランプメーターにて、電流を測定します。
電流測定することにより、閉回路の循環電流を測定し、実際に閉回路が保てている確認と、大電流が流れていないかの確認です。もし電流値に異常があると、グランドワイヤーが本来の役割のバリアを果たしてくれず、変電所構内の配電線に落雷し、停電してしまいます。
しっかりと見極め、保守点検を行いました。1番上まで登るため、点検を行う前から大変な作業です。また、電気を止めずに、構内充電中の中作業を行うため、周囲の確認、相互監視がとても重要な作業になります。
作業をする分には単純で簡単なことですが、この点検を行わなかった場合、損失が大きくなってしまいます。
お客様の設備を守る。
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これがわたしたちの使命です。