Tr(トランス)内の絶縁油を交換する作業の依頼があり、
社員4人で行ってきました。
Tr(トランス)内の絶縁油はコイルや部品を冷却し、
絶縁する役割を果たしています。
当然ですが、この絶縁油が劣化すると
① 絶縁低下による地絡が生じたり
② ヘドロ化して冷却効果が下がる ような現象が起きます。
まずは耐電圧試験と酸化試験を行いました
古いトランス内の油を採取し、
「耐電圧試験」を行います。
ギアポンプを使い古い油を取り出します
これからが本格的な作業です。
重要なのは、「ホースの差し込み口」から油が漏れないようにすること。
油が漏れると大変です。
もしもの場合に備えて、ホースの下にシートを敷きます。
次に、用意したドラム缶に古い油を移し替えます。
ポイントは「ドラム缶からあふれないようにする」こと。
目視で確認しながら、確実に慎重に作業を進めます。
Tr(トランス)内を新しい油で清掃します
古い油の抜き取りが完了すると、次はトランス内部の清掃です。
新しい油を少しずつ、約1~2割程度入れて、
トランスの隅々まで行き渡るようにします。
トランス内部全体にシャワーを浴びせる感じです。
これで内部をピカピカにします。
清掃が終わると、下の栓を開けて油を出します。
最初は黄色く見えますが、徐々に透明に変わっていきます。
透明になったら、内部がきれいになっている証拠です。
新しい絶縁油を入れます
新しい油を入れていきますが、
ここでも油漏れがないよう細心の注意を払います。
油を入れた後3〜4時間後に、
トランスの「絶縁抵抗」を測定し、全てが良好な状態にあることを確認します。
この時点で作業は基本的に終了ですが、
油面を目で確認し、すべてが規定通りに行われていることを確かめます。
作業の改善点
今回の作業も、油漏れもなく順調に進みました。
しかし、ギアポンプを使用して油を出し入れする際、
ポンプの向きを変える作業はかなり大変です。
切り替えバルブを導入するか、取り外しが簡単な構造にするなど、
改善点が考えられます。
作業の負担を減らし、効率を高めることができるように、
出来るだけ早く取り組みたいと思います。
これからは「環境にやさしいトランス絶縁油」が主流になる?
最新の研究により、トランスの絶縁油は
鉱油ベースから、環境に優しい植物由来の代替品へと進化しています。
例えば
これらの新しい油は、環境への影響を大幅に減らします。
例えば、菜種油ベースの油は、環境への影響が少なく、
絶縁性と安全性が高く、トランスの寿命も延ばす可能性があります。
環境に優しい絶縁油への移行にも注目しています。