図面にないコンクリート壁で通線不可― 系統図作成により500mケーブル敷設を実現(電圧降下0.1V)

稼働から50年以上が経過した公共施設にて、

制御電源の切替工事を行いました。

1階の発電機室から3階の電気室まで、

約150mのケーブル3本(総長約500m)を布設する工事です。

作業開始 ピット内ルートの確認

図面にない「壁」

着工直後、想定外の事態が発生しました。

「地下ピットを通す」という指示のもと計画していましたが、

現場のルート上には、コンクリート壁が存在していました。

これにより、計画ルートは物理的に通線不可となりました。

予期せぬ壁と狭小なピット内

現況を反映した「施工図」の作成

再調査を行い、現場にて「新しい系統図(施工図)」を作成しました。

古い建物では、現況と図面の不整合は起こり得ます。

「現物合わせで進めることはせず、まずは現状を図面に落とし込みました。

その上で、『電気的に正しい回路』と

『現場で無理なく通せるルート』を再設計しました。

再調査を元にエクセルで作成した、新しい系統図

ルート変更に伴う壁の貫通部です。

防火・防水のため、パテ埋め処理を確実に実施しました。

変更ルートの貫通部処理

盤内結線とメンテナンス性

迂回ルートを経て、3階電気室へケーブルを敷設しました。

3階電気室への引き込み完了

盤内結線(整線)を行いました。

ケーブルの線番(マーク)の向きを揃え、

配線の重なりを整理して収めました。

整然とした配線は、将来の点検時における回路の誤認防止や、

メンテナンス性の向上に直結します。

線番を整え、視認性を確保した端子台

測定結果

施工後の電圧降下測定結果です。

総長500mにも及ぶ長距離配線では電圧降下が懸念されるため、

数値による確認が不可欠です。

電圧測定結果。1Fと3Fの差はわずか0.1V

1F 送り出し電圧: 102.9V 3F 受け取り電圧: 102.8V

差は0.1Vでした。

作成した図面に基づく適切なケーブル選定と施工により、

電圧降下はほぼ発生していません。

あわせて実施した警報連動試験も良好でした。

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