今回はとある変電所にて、特高受電設備のGISとGIBのガス圧低下が起きたため、どこからガスが漏れているのかを調査するため、行きました。
そもそも、GISとは…
発電所や変電所に設置される遮断器や断路器、及びこれらをつないでいる電路などを、 絶縁性能・消弧性能に優れ無害で不活性なSF6ガスを充填した密閉金属製容器に収納した 設備をガス絶縁開閉装置(Gas Insulated Switchgear)(略してGIS)と言います。
ガス絶縁開閉装置で構成された変電所は、高信頼度・コンパクト、高い安全性、環境調和性、保守点検の省力化、建設工事の簡素化といった特徴があり、都市部の変電所等において開閉設備の主流となっています。
また、母線のみを金属容器のなかに収納し、SF6ガスにより絶縁したものをガス絶縁母線(Gas Insulated Bus)(略してGIB)という。 一般的にはガス絶縁開閉設備と組み合わせ、ガス絶縁開閉装置(GIS)として一括りに用語も用途も用いられます。
画像に見える通り、コンパクト化はされていますが、たくさんのフランジや、ガス圧を確認するためのメーターに送っている黄色いガス配管があります。
長年の経過、天災等による経年劣化により、フランジの側面が劣化し、そこからフランジ面が錆びてしまい、パッキンの状態も悪くなり、そこからガスが漏れてしまうのが大体の原因になります。
SF6ガスは空気よりも重たいため、マスカーテープにてフランジやガス配管のつなぎ目を覆い、時間を置いてからSF6用ガスリークディテクタにて測定します。
2週間ほどかけてたくさんのGISとGIBのフランジやガス配管を測定しましたが、大々的な漏れ箇所はなく、スローリークな箇所が所々ありました。
所々のスローリークが合算していつしかまたガス圧低下を起こす可能性があることを伝えました。
ガス圧低下を起こすと、絶縁低下を起こし供給支障をきたすため、早めの対策・修繕をしたいところです。
今回の作業はやることは単純な作業だったかもしれませんが、これも立派な保守・保全です。
異常を見つけ、察知し、これからもみんなの電気を守ります。